静かな暮らしのために。

 

日々の騒音被害の実態を丁寧に解析し、
言葉では表現しにくい状況を、第三者に伝わりやすい形で可視化します。
騒音専門の環境計量士が、打合せから測定・分析・報告書作成まで、一貫してお手伝いします。

 

騒音測定で「お客様のメモ」をお願いする理由

お客様に記録を付けて頂く理由

お客様から、このようなご質問を頂きました。

「他の業者では、測定中は家を空けてくださいと言われたんですけど。。」

おそらくそれは、お客様ご自身の生活音を無くすことが目的なのだと思います。
環境基準や騒音規制法に基づく評価では、時間平均や時間率による数値評価が行われるため、
お客様ご自身の生活音は、測定の妨げになるからです。

たしかに、マンション完成時の品質検査では、私も同じような測定を行います。

ですが、実際に人が住んでいる室内で問題になっている音は、そのような「平均的な音」ではありません。

隣室の足音。
テレビの音。
給湯器や排水の音。
衝撃音。

これらの音を、時間平均の評価にしてしまって、
本当に「お客様が困っている音」を評価できるでしょうか。

弊所では、室内騒音のご相談に対しては、別の考え方で測定と解析を行っています。

環境基準に基づく測定を行えば、室内騒音の指針値と比較することが出来ます。
しかし、室内のLAeqが40dBを超える環境というのは、
幹線道路沿いなど、外部騒音が非常に大きい特殊な環境でなければ起こり得ません。

むしろ、お客様が悩まれているのは「静かな環境だからこそ気になる音」です。
そのような環境で、LAeqが40dBを超えることは、まずありません。

結果として、
「室内環境としては問題ない」
という評価になる可能性が高いのです。

しかし、お客様のご相談は
「隣室の音が気になる」
というものです。

であれば、評価すべきは「隣室の音」であるはずです。

では、その特定の音を、どのように評価すればよいのでしょうか。

無人の室内で測定すれば、外部から透過する音だけになります。
ですが、その音が「何の音か」「どこからの音か」は分かりません。

実音録音を行えば後から音の種類は確認できますが、
それがどこからの音なのかは、測定者の推測になってしまいます。

それは、お客様が確認した事実ではありません。

騒音のご相談において重要なのは、
「お客様が気になった音」という事実と、客観的な測定データを結びつけることです。

そのために、弊所では、騒音被害の申立者であるお客様ご自身に、申告記録をお願いしています。

お客様が「今の音が気になる」と感じた時刻を記録して頂き、
その記録と測定データを照合することで、初めて
「この音が、問題となっている音です」
と特定し、解析することが出来るのです。

これは、お客様にとっては大変な作業になります。
ですが、私が長時間お客様の生活の中に滞在することも出来ませんし、
お客様がいないお宅に、私だけが記録の為に滞在する事は出来ません。

もう一つ理由があります。

音の感じ方は、人によって異なる、という事です。

私が気になった音が、お客様にとっても気になるとは限りません。
逆に、私が気にならなかった音が、お客様にとっては耐えられない音かもしれません。

お客様は、すべての音に困っているわけではありません。

夜中に駆け回る足音。
深夜に響く衝撃音。
日中に繰り返されるドタン・バタンという音。
排水音や給湯器の運転音。

このような、どうしても耐えられないと感じる、「特定の音」だけが問題になっていることがほとんどです。

それはお客様ご自身の感覚なので、
その音を特定できるのは、お客様ご自身しかいません。

だからこそ、記録はお客様ご自身につけて頂くことが、最も適切なのです。

そして、この記録は、第三者への説明においても極めて重要な資料になります。

お客様の記録と、計量証明事業所による解析結果。
この二つが揃ってはじめて、
騒音被害の状況を、第三者に伝わる形で示すことが出来ます。

とある測定で、測定後に「豊作でした」と、記録用紙を渡された事があります。

その言葉には冗談っぽさもありましたが、手応えのようなものも感じられました。
記録を付けて頂く作業は、お客様にとって負担が大きいものです。
それでも丁寧に記録して頂いた結果が、この一言に表れていたのだと思います。

次は、私が解析する番です。

お客様が記録した一つ一つの物音を、余すことなく解析し、
この測定を完成させることが、私の仕事です。