テレビやSNSなどでは、騒音被害が、まるでクレーマーのように扱われることがあります。
そういった事もあるでしょうが、それはごく一部だと思っています。
少なくとも、私のこれまでの経験では、
そういった事はありません。
どちらかと言うと、
世間のそういった偏見の目に苦しんでいらっしゃる方が多いように感じています。
いくつか事例を交えて、
一体どのような状況で、騒音被害を訴えているかを、ご紹介したいと思います。
運動会かな?
足音が気になって。。
そうおっしゃられたお客様のお宅で測定を行いました。
最初の内は、確かに足音はするものの、
それほど頻繁ではありませんでした。
ですが、足音と言うのは、いちど気になりだすと、気になってしまうもの。
おそらく毎日の事であれば、気になってしまうのだろうと、そう思っていました。
ところが、お客様が気になると言っていた時間帯になると、様子が一変しました。
運動会の練習でもやってるのかな?
そう思えるほど、とにかく走り回る足音が尋常じゃないのです。
しかも、子供の足音ではなく、大人の足音です。
私たちも、家の中で急ぎ足で移動する事はあります。
しかし、ここまでひっきりなしに走り回る事ってあるでしょうか?
例えば、家の中で何かしらのトレーニングをしているのならわかります。
しかし、それであれば、何かしらのパターンがあるはずです。
無秩序に、1時間近くも激しい足音が発生し続けていました。
これが毎日の事だそうです。
私はいろんな音を計ってきましたが、こんな状態は初めてでした。
足音は、一般的には、必然であり許容すべき音と考えられています。
ですが、このような激しい足音に対する苦情は、クレーマーなのでしょうか?
私はそうは思いません。
被害の実態を、事実として伝えるべきだと考えます。
工場かな?
あるお宅では、設備関係の音が気になるというご相談でした。
私が伺っている間にも、確かに小さな音が絶え間なく続いていました。
おそらく、壁の中の配管に係る音だという事が想像できます。
深夜でも続くという事でしたので、24時間測定を実施しました。
後日、レベル波形を見て驚きました。
静かな室内に、室内のレベルよりも 5~10dB 程度高い音が、
カンカンカンカンと、絶え間なく続いているのです。
その音は、3分くらい続くと、最後にダンダン音が激しくなり、
カカカカカカといった連続音になって、突然無音になります。
そして1分ほどの無音ののち、また同じような音が始まります。
これが 24時間ずっと続いていたのです。
まるで、工場騒音を聞いているような感覚になりました。
確かに、一つ一つの音自体は、大きな音ではありません。
しかし、壁の中から、ずっと何かを叩いているような音が、絶え間なく続くのです。
しかも、その音は深夜でもレベルが変わらないどころか、
深夜帯は背景騒音が低くなるので、余計に大きな音として聞こえます。
これが毎日続くのです。
これを小さな音として、我慢しなくてはいけないのでしょうか?
私は違うと思います。
しっかり事実を観測し、何かしらの対策を講じてもらう必要があると感じました。
駅地下かな?
新築の建売住宅を購入されたお客様から、
地下鉄の音が気になる
とのご相談がありました。
地下鉄の音?
私は半信半疑でお客様のご自宅に伺いました。
お客様は在宅でお仕事をされており、
その仕事部屋で気になるという事でした。
確かに地下鉄の音は感じられますし、
お仕事でずっとこの音を聞いているのはお辛いでしょう。
特に周囲が静かになる夜や早朝が気になるという事でしたので、
24時間測定を実施しました。
後日、レベル波形を確認して、地下鉄の音がどういうものかを再確認する事となりました。
地上にいると、地下鉄の音を感じる事は殆どありません。
しかし、建物内で響く地下鉄の音は、まるで駅地下のビル内で感じるように、
ゴーという低いうなり音と共に、低周波音を響かせます。
しかも、普段はあまり気づきませんが、
地下鉄は本数がとても多いのです。
都内は電車移動がとても便利だと言われています。
それは、何処でも線路が張り巡らされている、という事です。
地上の路線であれば、予め予想はつきますが、
地下鉄の場合は、予想は出来ても音までは確認できません。
せっかく購入した新築住宅で、突然の地下鉄騒音問題。
皆さんなら、どうしますか?
まとめ
騒音問題で悩まされている方の殆どが、
騒音と同時に世間の偏見にも悩んでいます。
測定業者である私にでさえ、遠慮した感じで、騒音のお話をされる、
これは、それまで様々な相談先で、適切な対応を受けていただけなかった経緯があるからではないでしょうか。
騒音被害は、被害者に落ち度は全くありません。
もしかしたら、加害者とされる方も、自身がそれ程音を出している事が、分かっていないのかもしれません。
お互いの理解を深めるには、事実をしっかりと伝える事が大切だと思います。
騒音の場合、音の感じ方は人それぞれなので、
伝えようとすればするほど、まるでクレームのように受け取られてしまいます。
被害者なのに、クレーマー扱いされる恐怖。
何も落ち度はないのに、異常者のような目で見られる怖さ。
騒音問題は、騒音を取り巻く偏見が、何より一番怖いと思います。