騒音調査というと、騒々しい環境を思い浮かべるかもしれません。けれども実際には、騒音トラブルは、静かな環境でこそ起きやすいものです。
騒々しい環境では、多少の音はまわりの音にかき消されてしまいます。
その一方で、静かな環境では、小さな物音でもとても気になってしまいます。
マンションや住宅の購入、建築を検討する際、周辺の音環境はとても気になるものです。
何度も足を運び、昼や夜の様子を確認して、「ここなら静かに暮らせそう」と期待して新しい生活を始めたものの、
思いがけない音に悩まされることになった。
そんな経験をされた方も、多いのではないでしょうか。
想像以上に気になるエアコン室外機の音
最近のエアコンはとても静かで、室外機の音もかなり小さくなっています。
しかし、屋外で使われる室外機は、経年劣化やほこりの付着などにより、
年数がたつにつれて、さまざまな音を出すようになることがあります。
下のグラフは、都心の静かな住宅街で測定した、24時間の騒音レベル時間変動図です。

日中は13時台に一時的にレベルが上昇していますが、これはヘリコプターが上空を通過したためです。
気になるのは夜間の騒音レベルで、21時台からレベルが上昇し、
その状態が朝6時まで定常的に続いています。
何の音なのかを確認するために、22時台のレベルの内容を見てみました。

一定のレベルが、1分程度の間隔を空けながら断続的に続いています。
このように、一定のパターンを繰り返す音は、設備関係の音であることが多く、
一般的な住宅街であれば、おそらくエアコン室外機の音であると予想されます。
実際の音はこちらです。
音の原因は、裏手のアパートのベランダに設置されたエアコン室外機でした。
複数台の室外機が同時に運転した結果、かなり気になる音になっていました。
今回の音は比較的わかりやすい例でしたが、
ほかにも、地下鉄につながる排気口が近くにあったり、
防災放送の拡声機が近くにあったり、
中には、雨の日だけ動く道路冠水対策用の排水ポンプが、夜中に鳴り響く場所もありました。
これらの音は、ひとつひとつは小さなものです。
騒々しい地域であれば、ほとんど問題にならないかもしれません。
しかし、静かな住宅街では、このような音がとても大きく感じられます。
どのような場所でも、人が暮らす以上、音を完全に避けることはできません。
特に都内のように便利な場所では、なおさらです。
静かな環境ほど、かえって騒音問題が起きやすいことがあります。
住まい選びや環境を考えるうえで、覚えておいてよいことかもしれません。