環境確保条例の基準値の調べ方
このページは、環境確保条例の基準値を迷わず読むための案内です。
基準値の見かたを、分かりやすいように画像を使いながら、順を追って説明しています。
測定方法や測定位置については、下記のページで詳しく解説しています。あわせてご覧いただくことで、環境確保条例への理解が深まると思いますので、今後の測定計画にお役立てください。
・環境確保条例の測定方法・環境確保条例の測定位置
全体の流れ
- 調べたい場所の用途地域を調べる
- 条例上の区域を確認する
- 特別地域などの特例に当たるか確認する
- 時間帯ごとの基準値を確認する
最初に知っておきたいこと
- 環境確保条例は、音源の存する隣地との境界線における音の大きさの基準です。室内の音の音の大きさには適用できません。
- 集合住宅など同一建物内部の住戸間の騒音には、この基準は適用しません。
- 都市計画における『用途地域』と、環境確保条例の『第1種区域〜第4種区域』は同じものではありません。まずは用途地域を調べてから、そのあとで条例上の区域を確認します。
- 第2種区域〜第4種区域では、学校・保育所・病院・診療所・図書館・老人ホーム・認定こども園の周囲おおむね50mの区域内は、基準値が5dB厳しくなります。
実際の条例運用では、基準値だけでなく、どの方法で測るか、どこで測るかも重要です。続けて読む場合は、 環境確保条例の測定方法 と 環境確保条例の測定位置 をあわせて確認すると流れがつかみやすくなります。
特例について
区域には特例が設けられている場合があり、該当する地域では更に基準が厳しくなります。
見落としやすい注意点です
- 学校・病院・図書館などの近くでは、基準値が5dB厳しくなります
- 区域が大きく切り替わる場所は『特別地域』となり一段階厳しい基準になります
- 知事が指定した区域では、特別な基準が適用されます
特に学校や病院の近くは、多くの方が該当する可能性があります。
確認方法については、このページ内で図を用いて詳しく解説しています。
公式表の見方
東京都の環境確保条例のページを見ると、騒音の規制基準は第1種区域、第2種区域、第3種区域、第4種区域に分かれています。ただし、最初からこの区域名が地図に出ているわけではありません。
実際には、まず都市計画の用途地域を調べ、その用途地域が条例上のどの区域に当たるかを確認し、最後に時間帯と50m特例を見ます。
| 種別 | 該当地域 | 音源の存する敷地と隣地との境界線における音量 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 6〜8時 | 8〜19時 | 19〜23時 | 23〜6時 | ||
| 第1種区域 |
第1種低層住居専用地域 第2種低層住居専用地域 田園住居地域 AA地域〈環境基本法・環境基準の地域類型〉 第1種文教地区〈東京都文教地区建築条例〉 上記の地域に接する地先及び水面 |
40デシベル | 45デシベル | 40デシベル | 40デシベル |
| 第2種区域 |
第1種中高層住居専用地域(第1種区域を除く) 第2種中高層住居専用地域(第1種区域を除く) 第1種住居地域(第1種区域を除く) 第2種住居地域(第1種区域を除く) 準住居地域(第1種区域を除く) 無指定地域(第1種・第3種区域を除く) |
45デシベル | 50デシベル | 45デシベル | 45デシベル |
| 第1・第2区域と時間帯が異なることに注意 | 6〜8時 | 8〜20時 | 20〜23時 | 23〜6時 | |
| 第3種区域 |
近隣商業地域(第1種区域を除く) 商業地域(第1種・第4種区域を除く) 準工業地域 工業地域 上記の地域に接する地先及び水面 |
55デシベル | 60デシベル | 55デシベル | 50デシベル |
| 第4種区域 | 商業地域であって知事が指定する地域*1 | 60デシベル | 70デシベル | 60デシベル | 55デシベル |
※この表は【東京都環境確保条例第136別表13-騒音】より一部転記しています。
手順1 まず用途地域を調べます
最初に調べるのは、「第1種区域」などの区域名ではありません。
ご自宅や建物が、どの用途地域にあるかを確認します。
ここでは、東京都の環境確保条例を例に説明しますので、用途地域の確認には東京都都市整備局の地図を使います。
東京都以外の地域では、Google などで「〇〇市 用途地域 都市計画図」と検索すれば、東京都と同じように確認できるサイトが見つかるはずです。確認の流れもほぼ同じですので、参考にしてみてください。
-
東京都都市整備局の都市計画情報ページを開きます。
まず、東京都都市整備局の都市計画情報ページを開きます。 -
ページ最下部までスクロールし、「同意する」を選択します。
ページ下部まで進み、「同意する」を選択します。 -
「郵便番号・住所から探す」で住所を入力し検索します。
「郵便番号・住所から探す」に住所を入力して検索します。 -
表示された住所の中から、該当する住所を選択します。
検索結果に出た住所の中から、該当する住所を選びます。 -
地図上の任意の場所をクリックすると、詳細情報に用途地域が表示されます。
地図上の場所をクリックし、詳細情報に表示される用途地域を確認します。
手順2 用途地域を、条例上の区域に当てはめます
用途地域が分かったら、次に東京都環境局の 日常生活の騒音・振動の規制 を見て、その用途地域が第1種区域〜第4種区域のどれに当たるかを確認します。
用途地域が分かったあとで、条例上の区域を確認します。ここを飛ばすと、基準値を読み違えやすくなります。
ここが一番間違いやすい所です
都市計画における『用途地域』と、騒音基準で使う『区域』は同じではありません。まず用途地域を確認し、条例の表から、その地域の該当する区域を確認します。
手順3 特例に該当するか確認します
区域には3つの特例があります。
それぞれが複合する地域もありますので、該当地域では以下の内容を確認のうえ、地域を管轄する市区町村に確認することをお勧めします。
・周囲に学校や病院などの施設が無いかを確認
第2種~第4種区域では、学校・保育所・病院・診療所・図書館・老人ホーム・認定こども園の敷地の周囲おおむね50mの区域内は、基準値が5dB厳しくなります。
この特例は、学校や病院などの施設周辺において、より静かな環境を確保するための規定です。
そのため、学校や病院の施設内で発生する音に対して、一律にこの特例を適用することは適切ではありません。
・区域が大きく切り替わる場所かを確認
特別地域は、2段階以上低い区域と接している地域に設けられ、1段階厳しい区域の基準が適用されます。
| 特別地域 | 条件 |
|---|---|
| 第1種特別地域 | 第1種区域に接する第3種系の区域では、境界から30mの範囲が第1種特別地域となり、第2種区域の基準が適用されます。 |
| 第2種特別地域 | 第2種区域に接する第4種系の区域では、境界から30mの範囲が第2種特別地域となり、第3種区域の基準が適用されます。 |
| 第3種特別地域 | 第3種区域に接する工業専用地域では、境界から30mの範囲が第3種特別地域となり、第4種区域の基準が適用されます。 |
手順4 第4区域の該当地域を調べます
商業地域であって知事が指定する地域では、第4種区域の基準が適用されます。 駅周辺で、大通りに面したマンションなどは、第4種区域に該当する可能性があります。
| 1 次の区域のうち、幅員18m以上の道路及びその境界線から10m以内の区域 | |
|---|---|
| 千代田区 | 有楽町2丁目、鍛冶町1丁目・2丁目、神田鍛冶町3丁目、神田須田町1丁目・2丁目 |
| 中央区 | 銀座1丁目~7丁目、日本橋1丁目1番~9番、日本橋2丁目1番~7番、日本橋3丁目1番~8番 |
| 港区 | 新橋1丁目・2丁目 |
| 新宿区 | 新宿3丁目 |
| 台東区 | 上野2丁目・4丁目、浅草1丁目・2丁目、雷門1丁目・2丁目 |
| 渋谷区 | 宇田川町22番・23番、道玄坂2丁目1番~6番、29番・30番、道玄坂1丁目4番 |
| 2 次の区域 並びに これらの境界線から10m以内の区域 | |
| 台東区上野駅広場、豊島区池袋駅東口広場 | |
手順5 時間帯ごとの基準値を見ます
区域が分かったら、その区域の時間帯ごとの基準値を見ます。ここで初めて、数字を読む段階に入ります。
たとえば、用途地域が「第1種低層住居専用地域」であれば、東京都の表では第1種区域に当たります。この場合の騒音基準は、6時〜8時が40dB、8時〜19時が45dB、19時〜23時が40dB、23時〜6時が40dBです。
ここで大事なのは、この数字が屋外の敷地境界線で見る基準だということです。室内で測定した音を、この数値とそのまま比べることはできません。
条例に対応した測定方法は、 環境確保条例の測定方法 で詳しく解説しています。また、測定位置の選定については、 環境確保条例の測定位置 で解説していますので、あわせてご確認ください。
最後は行政に確認を
このページは、公式表を読みやすくするための案内です。
特例の扱いや、特別地域に当たるかどうかは、市区町村によって判断が異なる場合があります。
そのため、自分で調べた内容だけで判断せず、最終的な判断は行政に確認をお願いします。
確認する際は、「学校から50m以内ですが特例は適用されますか」など、具体的にご相談いただくと、行政としても確認しやすくなり、より詳しい案内を受けやすくなると思います。
まとめ
環境確保条例の基準値の見方についてご説明してきました。
このページは、
『都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 平成12年12月22日 条例第215号(令和8年4月1日施行)』
を参考に作成しました。
詳しくは地域の行政機関にお問い合わせください。
弊所では、条例に関するご相談を承っております。ご自身のケースについて詳しく知りたい方や、行政の説明が分かりにくかったという方は、お気軽にご相談ください。
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